宮崎・日向(ひゅうが)発の男性向けパンツが、9月に開催される2020年春夏のニューヨーク・コレクションの関連イベントで披露される。
男性下着メーカー「TOOT(トゥート)」(東京都)が自社工場のある日向市で製造したパンツだ。
イベントで上映する動画も日向市で撮影し、「MADE IN HYUGA」を前面に打ち出す。
TOOTの男性用パンツは、凝ったデザインや立体縫製のフロントカップのはき心地が人気。主な顧客は30〜50代で、8割がリピーターという。
年200種を発売し、価格は3千〜4千円台が中心だ。ネット販売が主体で、売り上げの約3割が海外という。
枡野恵也社長(37)は「熟練した職人が丁寧に仕上げる品質には絶対の自信がある。はけばきっとクセになる」と胸をはる。
TOOTは2000年の創業以来、日向市に持つ自社工場だけで生産を続ける。人件費の安い海外に発注しない。
日向市は人口6万人。もともと縫製業が盛んで、設備も技術力も整っていた。
近年は、大手メーカーが中国などに生産拠点を移し、廃業の危機に直面する中小企業もある。
TOOTはそうした工場を吸収合併し、東京のデザイン力を加味して再生させた。
工場の従業員は20〜70代の約50人。パンツ1枚つくるのに10種ほどのミシンを駆使する。
「ミシン歴45年」という女性従業員(74)は「こんな地道な作業の成果が米国に行くなんて驚いた」と苦笑する。
https://www.asahi.com/articles/ASM8D470SM89TNAB00G.html
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