八重山毎日新聞 不連続線
この方の口から、そんな言葉が出てくるとは夢にも思わなかった。
参院選から一夜明けた安倍首相記者会見。憲法改正について「議論を進めることが国民の審判」であり「野党はこの民意を正面から受け止めてほしい」と言い切った
▼都合のいいところだけを切り取って「民意」と主張するなら、沖縄選挙区の審判こそ辺野古反対の民意として真正面から受け止めるべきだ。
繰り返し何度でも示される揺るぎない沖縄の民意である
▼そもそも憲法改正は国民の関心事ではない。案の定、選挙後の共同通信世論調査では「現政権での改憲反対」が56%の結果となった。
優先して取り組むべき課題は「年金・医療」などが上位を占め、憲法改正は最低の6・9%だった
▼自公与党は過半数を維持したものの改憲発議要件3分の2を割った。
自民党は改選議席数を9議席減らし、単独過半数も失った。
これこそが国民の審判であり民意だろう。
改めるべきは憲法ではなく、日米地位協定だ
▼日米両政府は25日、民間地域で米軍機事故が起きた際の事故対応ガイドラインを改定した。外交上の大きな成果のように語っているが、米側の立ち入り同意を必要とする点で何も変わらない
▼為政者は民意のありかを見誤ってはならない。ましてや好き嫌いで選別し、利用してはなるまい。(慶田盛伸)
http://www.y-mainichi.co.jp/news/35593/