ジュネーブで行なわれたWTOの一般理事会で韓国の求めにより、日本が対韓国に発動した輸出規制の問題について両国の代表が発言した。
韓国は日本の貿易制裁は不公正であり、この制裁の引き金になったのは歴史問題、すなわち徴用工問題であると主張。
日本は歴史問題は一切関係なく、輸出管理見直しは、安全保障の観点から行なわれたものだと説明した。

WTOの第三国のメンバーは誰もこの問題について発言せず、日本擁護にも韓国擁護にもまわらなかった。
WTOのサイトには、友好的にこの問題を解決してほしいという意向のみが記載されている。
日韓は第三国の介入なしに現在の対立状態を解決できるのだろうか。
スプートニクはロシア戦略研究インスティテュート・アジアセンター研究員のロマン・ロボフ氏に意見を求めた。

ロボフ氏「韓国では最後の最後まで、日本が実際の制裁には踏み切らないだろうという楽観論があった。
しかし日韓の歴史の中で初めて日本は、韓国の最も痛いところを突いてきた。
それは韓国の経済成長のテンポを大幅にダウンさせることができるようなハイテク製品生産ラインの破壊だ。
現在の状況の沈静化は単純にはいかない。この日韓対立の波の中で、安倍首相も、文大統領も、自身の支持率を上げている。」
米国の半導体産業協会を含む米国の大手ハイテク産業グループ5社は、半導体産業、ICチップをめぐる論争の影響は世界規模となり限りなく大きいと指摘し、
日韓に対して共同書簡を送り、事態の沈静化を求めた。しかし第三国の政府や国際組織は、沈黙を良しとしている。

ロボフ氏「WTOのメンバーは、日韓対立はあくまで二国間のものと考えており、そこに干渉する必要性を見出していない。
そして、日本とも韓国とも軍事的・政治的に同盟関係にあり、数年間両国を話し合いのテーブルに着かせようとしている米国さえも、韓国の執拗な要請にも関わらず、今回の対立に干渉することを急いでいない。
私が見たところ、この論争でどちらかの側を支持すれば、それは少なからず不愉快な事態を招くだろう。
であるから、国際社会の大部分は、我関せずという態度を取り続けるだろう。」

https://jp.sputniknews.com/opinion/201907306531000/