アメリカやヨーロッパで景気の減速を防ぐため金融緩和策が相次いでとられるという観測が強まる中、
日銀の黒田総裁は訪問先のワシントンで講演し、「強力な金融緩和を続けていく」と述べて、日銀としても
必要があれば金融緩和策を強化する姿勢を示しました。
世界経済の減速懸念を背景に、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が今月、およそ10年半ぶりの利下げに
踏み切る可能性を示唆しているほか、ヨーロッパ中央銀行も金融緩和策をとるという観測が広がっていて、
ドルやユーロに対して円高が進み日本の輸出産業に悪影響が出る可能性も指摘されています。
こうした中、日銀の黒田総裁は22日、ワシントンで講演し、「2%の物価上昇に向けたモメンタム=勢いを
途切れさせないよう、しっかりと強力な金融緩和を続けていく」と述べ、日銀としても物価や景気に変化が
生じた場合は金融緩和策を強化するという姿勢を改めて示しました。
一方で行き過ぎた低金利は銀行の収益を悪化させ、景気を刺激するという金融緩和の効果を低下させかねないとして、
金融緩和の拡大のリスクにも言及しました。
今週はヨーロッパ中央銀行、来週はFRBと日銀が相次いで金融政策を決める会合を開く予定で、それぞれの
判断に注目が集まっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190723/k10012004291000.html