安倍とその周辺の勢力の手法はシンプルである。

  異なる意見をもつ人を議論により説得するのは面倒なので、プロパガンダとマーケティングにより社会に一定数存在するバカを誘導する。数の論理で政策を押したほうが手っ取り早いというニヒリズムだ。人間の心の闇、脆弱な部分を狙い撃ちにしたテクノロジーが発達すれば、連中は算盤をはじきながらそれを利用する。

 結局、良心を持たない人間が勝つのが今の世の中だ。

 プロパガンダの最終目標は、対象となる人物が、自分の意志で意見を選択したかのように思わせることだ。単に情報を押し付けるのではなく、たとえば「民主党時代に戻るのか」「安倍さんを批判するのはサヨク」といったテンプレートを拡散し、社会の気分を醸成していく。

 結果、政権の中枢はグローバリストと政商、カルト勢力に乗っ取られてしまった。

 でも、愚痴をこぼしていても仕方がない。今やるべきことは、日本人が日本のために立ち上がることである。安倍政権下でなにが発生していたのかを直視し、法的も道義的にも責任の所在を明らかにし、真っ当な、そして落ち着いた保守政治を再建する必要がある。

 現実が見えない人たちがいる。冷戦時代で完全に思考停止し、日教組、朝日新聞、共産党、近隣諸国を叩いていれば国益につながると考える素朴な人たち。要するに花畑。愛国を唱えながら全方位売国を続ける安倍を礼賛するのも生温かい世界に閉じこもり、現実を見ようとしないからだろう。

 一方、一部の左翼は安倍は危険な国家主義者であり、戦前回帰を目指す復古主義者であると騒いでいる。思考停止という点では、安倍信者と変わりはない。安倍がやってきたのは新自由主義によるナショナリズムの解体であり、アメリカと財界のケツ舐め路線により戦後レジームを固定化し、国民の財産を横流しすることだった。

 北朝鮮、韓国に対して、たまに勇ましいことを言うのは、ネトウヨ(情弱)向けのエサにすぎない。

 自民党はとうの昔に変質している。かつての自民党には保守的な要素もあったし、少数ながらも保守的な政治家がいた。派閥も機能していたので、「真っ当な日本人」を切り捨てない層の厚さがあった。しかし、特に小泉政権下において保守は完全にパージされ、プレーンな都市政党になってしまった。

 そこで、衆議院議員で日本共産党大阪府委員会副委員長の清水忠史氏とわが国の現状とその打開策について、集中討議し、『日本共産党政権奪取の条件』(KKベストセラーズ刊)として参院選前に世に問うことにした。

 われわれの共通のスタートラインは「常識」だった。

 安倍の嘘は常軌を逸している。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190720-00010453-besttimes-pol&;p=2