次期英首相最有力のジョンソン氏、薫製ニシンでEU批判もあっさり返り討ち
【AFP=時事】次期英首相の最有力候補、ボリス・ジョンソン前外相が、ニシンの薫製を持ち出して欧州連合(EU)の
「お役所仕事」によって英国の生産者が痛めつけられていると批判したところ、EUから「フェイクニュース」だと逆に非
難される羽目となった。
保守党党首選で首位に立つジョンソン氏は17日、ロンドンで開いた選挙集会で演説した際、英国のEU離脱をできる
だけ早く実現しなければならないとの主張を強調するため、英国名物の薫製ニシン「キッパー」を取り出して高く掲げ
た。
ジョンソン氏は、手にしたキッパーの生産者である「マン島の薫製業者たちは、すっかり怒り狂っている」と前置き。
「何十年もキッパーを郵送してきたのに、EUの役人たちのせいで出荷コストが膨れ上がっているからだ」と批判する
と、今度は保冷剤を取り出して掲げ、「役人たちはキッパーを1袋ずつ、この保冷剤を付けて出荷しなければいけな
いと要求している」と主張した。
しかし、EU食品安全当局の報道官は18日の会見で、生産者には食品安全基準を満たす義務が課せられているも
のの、「最終消費者への食品販売に関してはEUの衛生規制の適用外だ」と反論。さらに「鮮魚なら厳格な規則の対
象だが、(薫製などの)水産加工品にはそれらの規則は適用されない」と説明し、「つまり、ジョンソン氏が述べた例
にはEU法は無関係で、純粋に英国の力量の問題だ」と一蹴した。
https://www.afpbb.com/articles/-/3235933?cx_part=top_latest