(CNN) フランス西部ブルターニュのサンブリユーで、海藻の一種オオバアオサが大量繁殖したため
6カ所のビーチで一般の立ち入りが禁止された。
地元の団体は、この地域で相次いだ2人の死亡と関係があるかもしれないとして、当局に調査を求めている。
地元検察によると、現場近くのモルレー湾では7月6日、カキ養殖に携わる18歳の男性が死亡していた。
検視の結果、男性は溺死した可能性があることが分かった。
CNN系列局のBFMTVによると、地元の団体はこの男性について、アオサが腐る際に放出される有毒ガスの
硫化水素(H2S)によって死亡した可能性があると見ている。
検察の広報はCNNの取材に対し、藻の大量繁殖やその影響については懸念があるとしながらも、
男性の死亡については検査の結果が出るまで詳しい情報の公表を差し控えるとした。
別のNGO(非政府組織)は、ドゥアルヌネ湾で死亡した70歳の男性についても同様の懸念があると指摘。
2人の死因などについて詳しく調べるよう当局に嘆願している。
フランス国立科学研究センターの専門家によると、アオサは生きている間は無害だが、
死んで分解されるとH2Sを放出し、腐った卵のような悪臭を放つ。
「人がH2Sの臭いをかいだとしても、有毒ガスの臭いだとは気づかない」という。
ブルターニュの藻の繁殖問題に詳しいジャーナリストはBFMTVに対し、
気候変動の影響で問題が悪化しているとの見方を示した。通常であれば死んだ藻は毎朝海岸で回収されるが、
今年はあまりに量が多く、回収作業が追い付いていないという。

https://www.cnn.co.jp/world/35140006.html