安倍晋三首相は28、29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせ、少なくとも計19カ国・機関の首脳と会談する。
夏の参院選を控え、G20サミットで議長を務める首相にとって、外交手腕を示す格好の場となりそうだ。
一方、韓国大統領府高官は25日、G20サミットに合わせ、首相と文在寅(ムン・ジェイン)大統領との日韓首脳会談について「開かれない」と記者団に語った。

 G20サミットには、20カ国・地域の首脳以外にも、複数の国・国際機関が参加する。一連の会談で特に注目されるのは、首相と米中露3カ国との首脳会談だ。

 トランプ米大統領との会談は12回目。4、5月に続く3カ月連続の相互往来で、強固な日米同盟を世界に示す。
非核化をめぐる米朝協議など最新の情報を共有し、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を示さない限り、国連安全保障理事会の決めた経済制裁は解除しない方針も再確認する。

 また首相は、今月のイラン訪問の詳細をトランプ氏に伝える。イラン革命防衛隊によるホルムズ海峡付近での米軍無人機撃墜などで米イランの対立は激化しており、首相は衝突回避の重要性を働きかける意向だ。

 中国の習近平国家主席は、2013年の国家主席就任後初の来日となる。首相との会談では、米中貿易摩擦が世界経済最大のリスクとなっていることから、通商問題で意見を交わす。
20〜21日の中朝首脳会談を踏まえ、北朝鮮情勢も協議する。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案撤廃をめぐる香港の混乱について、首相がどう提起するかにも関心が集まる。

 26回目となるプーチン大統領との会談は、協議が停滞している日露平和条約交渉の取り扱いが焦点だ。
昨年11月、日露両首脳は1956(昭和31)年の日ソ共同宣言を基礎に条約交渉を加速させることで合意したが、プーチン氏は北方領土の引き渡しに関し「計画はない」と明言するなど、局面打開は難しい情勢だ。

 一方、G20サミットの全体会議では、世界経済、イノベーション、格差・インフラ、気候変動の計4分野が主要議題となる。

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