専門家「津波起きやすく 南海トラフ同様注意が必要な場所」

新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱の激しい揺れを観測した地震が発生した場所について、
東京大学地震研究所の古村孝志教授は、「比較的規模が小さくても津波が起きやすく、南海トラフと同様に
地震に注意が必要な場所だ」と指摘しています。

古村教授によりますと今回、地震が発生したのは北米プレートとユーラシアプレートが衝突する
『日本海東縁部』と呼ばれる場所で、ひずみがたまりやすく『ひずみ集中帯』とも呼ばれています。
周辺には数多くの活断層があり、今回のような地震はいつ起きてもおかしくないということです。

また、『日本海東縁部』では、断層の角度が鉛直方向に近いような急な角度になることが多く、海底の変動が
大きいため、地震の規模に比べて津波が発生しやすい特徴があるということです。

古村教授は「日本海東縁部は、東日本大震災を起こした日本海溝や、南海トラフと同じように地震に注意が
必要な場所だ。地震の規模が比較的小さくても津波起きやすいうえに、陸地との距離が近いので、数分で
津波が到達する危険性がある。揺れを感じたら、速やかに避難することが重要だ」と指摘しています。

また今回の揺れの特徴についても、「地震の波形を見ると、木造住宅を倒すような周期が1秒から2秒の
ユサユサという揺れではなく、非常に短い周期の、削岩機でガタガタと削るような小刻みな揺れが続いた
ことがわかる。この揺れが原因で、屋根の瓦が落ちたり、ブロック塀が倒れたりする被害が目立ったと
考えられる」と分析しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190619/K10011960681_1906191848_1906191859_01_02.jpg

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190619/k10011960681000.html