スマートフォンなどによる若者の目への悪影響が指摘される中、浜松市で始まった全国の眼科医の学会でもスマートフォンなどの長時間使用が斜視を招く可能性を指摘する研究発
表が相次ぎ、因果関係の解明や予防法の確立に向けた研究や調査が、今後、本格化するものとみられます。
10代の若者を中心に瞳が内側に寄って戻らなくなる「急性内斜視」の患者が増えていることが眼科医の間で指摘されています。
こうした中、14日から浜松市で始まった日本弱視斜視学会と日本小児眼科学会の総会には全国からおよそ1300人の医師などが集まり、6つのグループがスマートフォンなど
と斜視に関する研究結果を発表しました。
このうち浜松医科大学のグループは全国の医師を対象にした調査で、去年1年間、若者の急性内斜視を診察した医師の7割が斜視の背景にスマートフォンなどの長時間使用がある
と回答したことが報告されました。
グループでは、ことしの秋ごろから、因果関係や予防法を探るため、患者を対象にした長期的な調査を実施するとしています。
このほか、別のグループは斜視の患者はスマートフォンの普及率が上がった頃から増えていることや、もともと近視だったりゲーム依存の傾向があったりする患者が多くみられた
ことなどを発表していました。
いずれのグループもスマートフォンなどの長時間使用が斜視を招く可能性があると指摘していて、因果関係の解明や予防法の確立に向けた研究や調査が今後、本格化するものとみ
られます。
視能訓練士の女性は「スマートフォンはいまや生活に欠かせないものとなっており、生活と切り離す時間を作ることが重要だと思います」と話していました。
浜松医科大学の飯森宏仁医師は「スマートフォンで斜視になりやすい人や適切な使い方があると思うので患者への調査を通じて因果関係を詳しく調べ効果的な予防法を提示したい
」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20190614/3030003132.html