オーストラリアで極右主義的な発言をした上院議員に卵をぶつけ、「卵少年」と呼ばれているウィル・コノリーさん(17)が28日、
ニュージーランドで3月に起きたモスク銃撃事件の被害者たちに約10万豪ドル(約760万円)を寄付したことを明らかにした。
コノリーさんは3月16日、メルボルンで記者会見中だったフレイザー・アニング上院議員(当時)に背後から近づき、後頭部に生卵を押し付けた。
アニング氏は、この前日にニュージーランド南島のクライストチャーチで51人が殺害されたモスク(イスラム教の礼拝所)銃撃事件について、ムスリムの移民が原因だと発言。非難の声が挙がっていた。
卵をぶつけた後、コノリーさんには、さらなる卵の購入費用や裁判になった場合の費用に当ててほしいと、オンラインの寄付金サイトを通して多くの人々から寄付金が贈られていた。
警察当局は4月、コノリーさんに「厳重注意」を言い渡し、訴追しないことを決定した。
コノリーさんは28日、「すべてのお金」をニュージーランドの慈善団体に送付したと発表。
「あの悲劇の犠牲者たちにとって、これがいくらかの救いとなることを心から望んでいる」と述べた。
コノリーさんの「卵騒動」では、賞賛の声が寄せられた一方で、政治的な抗議行動に関する議論もオーストラリア国内で沸き起こった。
今月上旬にも、同国のスコット・モリソン首相が卵を投げつけられる事案が発生している。
コノリーさんは3月に同国のテレビで、「自分のしたことは正しくないと理解している。でも、この卵が人々をひとつにした」と話した。
アニング氏は上院選で落選極右思想的な発言をしたアニング氏に対しては、抗議書に140万人以上が署名。しかし同氏は謝罪を拒否している。
アニング氏は卵をぶつけられた後、コノリーさんを殴ったが、警察当局は4月、アニング氏の行為は正当防衛だったと判断した。
5月18日にあった上院議員選挙では、アニング氏は議席を守ることができなかった。
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