北海道新幹線の最高時速を320kmへ、防音壁など変更
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北海道新幹線木古内─新函館北斗間で供用中のトンネルの緩衝工(写真左)と防音壁(写真:JR北海道)
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JR北海道は、建設中の北海道新幹線の新函館北斗─札幌間で、
これから設置する防音壁のかさ上げなどによって最高速度を時速260kmから
320kmに引き上げることを目指す。1兆6700億円の総事業費に対し、
約120億円の増額が必要になると見込んでいる。同社が2019年5月15日に発表した。
新函館北斗以北の延長212kmのうち80%がトンネル区間、20%が明かり区間だ。
トンネルの約30カ所の坑口には列車が出入りする際に発生する圧縮波を抑える
筒形の「緩衝工」を、明かり区間には最大高さ3.5mの防音壁を設ける計画となっている。
JR北海道は、これらを変更すれば高速化に対応できるとみている。
新函館北斗以北の完成予定時期は30年度末で、緩衝工と防音壁のいずれもまだ設置していない。
北海道新幹線などの整備新幹線は、全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に基づき、
原則として最高時速260kmの前提で施設を設計する。
北海道新幹線を建設している鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)
によると整備新幹線の最高速度を260kmよりも引き上げた例はない。
最高速度の引き上げに対応するため、緩衝工の延長や防音壁のかさ上げが
どの程度必要かは現時点で不明で、今後検討する必要があるという。
防音壁のかさ上げによる重量増加に伴い、高架区間で橋の強度向上が必要かどうかも検討する。
線形と勾配については、鉄道・運輸機構は「現行計画で問題ないと思うが、
今後の設計で確認していく」(北海道新幹線建設局総務課)としている。