しこたま酒を呑んだ夜、終電間際の電車に乗って帰ろうとすると“乗り過ごし”というリスクを背負うことになる。
酔い心地でうとうとして気がつけば、電車は見たことも聞いたこともない終点の駅。
改札口を出て駅前に出てみたはいいものの、特にめぼしいものがあるわけでもない都会の外れの住宅地。
そうしてせっかくの気持ちのいい酔い心地も吹っ飛んで、人は絶望の淵に立つのである――。
天王寺駅や大阪駅でもお馴染みの「日根野行」
と、そんな世にも恐ろしい終着駅は、だいたい電車通勤が主流の都市部に多くあるものだ。
そうしたわけで、これまでも小金井、国府津、小手指、南栗橋などなど首都圏近郊の終着駅を中心に巡ってきたが、
今回は関西の終着駅に進出してみようと思う。訪れたのは、JR阪和線の日根野駅である。
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阪和線はすぐ脇にあべのハルカスも聳える大阪市南部の天王寺駅を起点に南西に走り、和泉山脈を越えて和歌山駅までを結んでいる。
関西国際空港に乗り入れる特急「はるか」や紀伊半島南部を目指す特急「くろしお」のほか、大阪駅から大阪環状線をぐるりと回って
阪和線に入って和歌山行の紀州路快速・関空快速がこの路線の代表列車。関西を代表する大動脈のひとつだ。
そんな中でも大阪方面からやってくる区間快速は多くが“日根野行”。
さらに23時以降の快速も軒並み日根野行であり、終電間際に乗るなら実に危険な終着駅というわけだ。
他にはより大阪中心部に近い“鳳行”もたくさんあって、こちらも駅名からして実に興味深いところではあるが、今回は乗り過ごしたときの“被害”が甚大な日根野を選んだのである。
http://news.livedoor.com/article/detail/16521829/
2019年5月27日 6時0分 文春オンライン