シリア内戦:化学兵器はどのようにアサド政権を支えたのか
BBCのドキュメンタリー番組「パノラマ」とBBCアラビア語は共同で調査を行い、
アサド大統領の戦略における化学兵器の重要性を初めて明らかにした。
以下の地図は、2014年半ば以降にシリアで行われた化学兵器攻撃の場所を時系列にまとめたものだ。
. 化学兵器は広範囲で使用されていた
BBCは、アサド大統領が化学兵器禁止条約(CWC)に調印し在庫を処分することに合意した2013年9月以降、
少なくとも106回の化学兵器攻撃がシリアで行われたことを示す十分な証拠があることを突き止めた。
シリア政府は、首都ダマスカス近郊でサリンを使った化学兵器攻撃が発生し、
数百人が犠牲となった1カ月後にCWCを批准した。
犠牲者が苦痛に身もだえする様子を捉えた悲惨な写真は世界に衝撃を与えた。
西側諸国はこの攻撃は政府にしか行えないものだと主張したが、アサド氏は反対勢力に非があると述べた。
米国は報復措置として軍事行動を起こすと示唆したものの、
シリア政府を支持するロシアがアサド氏に化学兵器の破棄を促したことで、これは取りやめとなった。
しかし、化学兵器禁止機関(OPCW)と国連がシリア政府が申告した1300トンもの化学物質を破壊した後も、同国での化学兵器攻撃は続いた。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45872952