自転車でも、歩行者や別の自転車とぶつかれば大きな事故になる。現場を立ち去れば「ひき逃げ」となるが、車と比べて捜査が難しいとされる。
けがをしたのに相手方が名乗り出ず、泣き寝入りを強いられる被害者もいる。

「バス停で待っていただけなのに……」。愛知県安城市の女性(47)はふつふつとした怒りを今も抱えている。

発端は1月11日。午後6時40分ごろ、女性は年明けの暗い空のもと、幹線道路沿いのバス停にいた。友人と会うため、安城駅行きのバスを待っていた。

突然だった。何かが左からぶつかってきた。そのまま倒れ、案内表示板のコンクリート製の土台に頭を打ち付けた。右後頭部から血が出て、土台が赤く染まった。
居合わせた数人の男性らが119番通報してくれて、救急車で運ばれた。頭部を6針縫った。

居合わせた人から、ぶつかったのはスポーツタイプの自転車で、乗っていた男性は「すいません」と言って走り去ったと聞いた。

「倒れたのに、逃げるなんて」と女性。治療費は自己負担だ。車道に倒れていたら、車にひかれたかもしれない。突然で何も覚えておらず、警察には大した証言ができなかった。
警察が捜査を続け、情報提供を求める看板を立ててくれているが、まだ解決していない。
事故後、くしゃみなどで胸が痛むのが気になり、3月末に詳しい検査をしたところ、背骨に骨挫傷があることもわかった。

「『私、ケガしたんですよ』と言いたい」。相手が高額賠償を恐れたのかもしれない、とも考えている。
「自転車に乗る人は自転車保険に入って欲しい。事故を起こしたら、逃げないで届け出て」


<続く>

https://www.asahi.com/articles/ASM5J2DYDM5HOIPE015.html