抱き上げた男児、反応なく 「こんなひどい事故が起きるとは」 大津
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190508-00000076-mai-soci
 8日午前、大津市大萱の滋賀県道交差点で、乗用車と軽乗用車が衝突し、軽乗用車がはずみで保育園児13人と保育士3人の列に突っ込んだ事故。
現場の県道は通称「さざなみ街道」。四季折々の琵琶湖の景色が楽しめ、普段から散歩やサイクリングを楽しむ人が多い場所だが、事故で園児らの悲鳴に包まれた。

【園児の列に車 現場の写真】

 レイモンド淡海保育園(大津市萱野浦)の園児らの列に軽乗用車が突っ込んだのは午前10時15分ごろ。右折しようとした乗用車と、直進しようとした軽乗用車が衝突し、はずみで軽乗用車が歩道にいた保育園児らの列に突っ込んだとみられる。

 軽乗用車の後方を運転していた30代男性会社員は「キャー」という叫び声を聞き、119番した。車外に出て様子を見ると、軽乗用車は歩道を乗り越えるように走り、その先にあったフェンスをなぎ倒して止まっていた。

 園児たちはほぼ全員が青白い顔で倒れ、3、4人はぐったりして意識がないように見えた。後頭部から血を流してぐったりしていた男児を抱え上げて「大丈夫やぞ」と声をかけたが、目が半開きのまま反応はなかった。
軽乗用車を運転していた下山真子(みちこ)容疑者(62)は車外に出て、ぼうぜんとした様子で立っていたという。

 現場近くのボートクラブにいた女性(55)も衝突音に続き、子どもらの叫び声を聞いた。すぐにクラブ備え付けの自動体外式除細動器(AED)を手に仲間と現場へ走った。近くのスポーツ施設からも数人がAEDを抱えて集まっていた。
子どもたちは頭から血を流したり、「ママー、ママー」と泣き叫んだりしていたという。

 すぐそばのホテルの女性アルバイト従業員(36)は分厚いバスタオルを10枚ほど持ち込み、手当てをした。道路脇のフェンスは「く」の字に曲がっていた。現場には水筒など園児の持ち物が散乱し、「とても直視できなかった」。
近くの浄水場の男性職員(57)は「園児の名前を呼びながら心臓マッサージをしている人もいた。こんなひどい事故が起きるとは」と絶句した。

 保育園に子どもを通わせる保護者の女性によると、事故後、保育園の連絡用アプリで「緊急事態。早めのお迎えお願いします」と連絡があったという。女性は「保育園に何回電話してもつながらなかった。事故が起きたと知り、びっくりして震えた」と話した。