名古屋市港区福前2丁目の配送業米原達治さん(68)宅で22日午後5時半ごろ、60代くらいの男女2人が死亡しているのを、訪れた愛知県警港署員が見つけた。県警は遺体が米原さん夫婦の可能性があるとみて、殺人事件として調べている。
港署捜査本部によると、23日の司法解剖の結果、男女とも刃物のようなもので刺されており、死因は男性が出血性ショック、女性は外傷性ショックか首を絞められたことによる窒息死とみられる。死後1〜2カ月程度経過していると推定されるという。
遺体は2階建て住宅の1階の部屋にあり、寝間着姿で血を流して倒れていた。玄関は施錠され、窓ガラスは割れていなかった。
港署に13日、米原さんの仕事仲間の男性から「(米原さんと)連絡が取れない」と相談があり、署は13日以降何度か米原さん宅を訪問。異臭はなく、配達された新聞もたまっていなかったため、室内まで確認しなかったという。
14日には夫婦の息子と電話で連絡がとれ、息子は22日に来署する約束をしたが、現れなかった。署員は同日、港区職員と米原さん宅へ出向き、遺体を発見したという。遺体は腐敗が進んでいた。息子とはその後も連絡が取れていないという。
近くの新聞販売所によると、今月上旬に米原さん宅に集金に訪れた際はこの息子が応対し、「両親は海外旅行に行き、家を長く空けている」と話したという。近所に住む男性は「トラブルがあるような夫婦に見えなかった」と声を落とした。現場は近鉄蟹江駅から南に約2キロの住宅街。
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