桜田義孝前五輪相が事実上更迭されたことを受け、野党は11日、安倍晋三首相の任命責任や政権の体質への追及を強めた。

「平成の膿(うみ)は平成のうちに出し切る」(立憲民主党の辻元清美国対委員長)と訴え、与党側に衆参両院の予算委員会の開催などを求め続ける構えだ。

 立憲民主、国民民主、共産などの主要野党は11日の国対幹部会合で、衆参予算委の集中審議を要求する方針を確認した。
 国民民主党の原口一博国対委員長は会合後の記者会見で「人権感覚や閣僚の資質を欠く桜田氏の更迭をずっと求めてきた。ほったらかしにしてきた安倍首相の責任は重大だ」と強調した。

 野党間の合意を受け、辻元氏は自民党の森山裕国対委員長と会談し、集中審議の開催を求めた。
 参院でも立憲民主党の芝博一参院国対委員長が自民党の関口昌一参院国対委員長に同様の申し入れをしたが、衆参両院ともに拒否された。

 辻元氏は記者団に「(断られても)ずっと言い続ける」と述べた上で「逃げの姿勢だ。自分たちに不利なことは逃げまくる安倍政権の姿勢は変わっていない」と批判を強めた。

 野党側は「桜田氏をかばい続けた首相の責任」(立憲民主党の枝野幸男代表)などとして、問題発言を重ねた桜田氏を交代させなかった首相に矛先を向ける。

 この流れを生かし、21日投開票の統一地方選と衆院大阪12区、沖縄3区の両補欠選挙などで政権批判票を掘り起こす筋書きを描く。

 早期の幕引きを狙う与党側との攻防は激しさを増しそうだ。

https://www.sankei.com/smp/politics/news/190411/plt1904110031-s1.html