本人は、新米親方の定番である6Lの紺色ジャンバーを着こんで花道の警備についているが、
入り口にはいまだに現役時代の等身大パネルが飾られている。
さらに「ありがとう稀勢の里関」と記された寄せ書き用の紙を貼ったボードを設置し、
ファンが様々な思いを書き込めるよう配慮した。
「お疲れさま、ゆっくり休んで」「夢をありがとう」という言葉が多い中、
「お嫁さんにして下さい」なる書き込みもあり、関係者をドギマギさせている。
この寄せ書きの紙は毎日取り替えられ、場所後、荒磯親方に届けられるという。
7日目にはNHKもテレビのゲストに招き、寡黙だった現役時代とは別人のような、流暢な解説が大好評だった。
極めつけは、このほど相撲協会が発案した「荒磯親方握手付きマス席」だ。
5月の夏場所は、改元に伴う超大型連休のあおりを食って、入場券の売れ行きが心配されている。
そこで、後半の9日目から11日目までの4日間限定で「握手付きのマス席」を発売することを決めたのだ。
各日60マスで、値段は3万8000円。4月6日から発売する予定で、関係者は早くもソロバン勘定に余念がない。
「これが誘い水になり、ほかの日も売れてくれればいいなと思っています」
いまや、荒磯親方を抜きにしては成り立たない大相撲界。
もがき苦しんだ晩年、引退に追い込むかのような空気を作ったのは相撲協会だったはずだが…。
https://wjn.jp/article/detail/0403540/