社員のSNSが炎上して、会社にクレームが来た! 誰の責任?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-00009378-bengocom-life

社員がSNS上でトラブルを起こし、会社にクレームが来たーーー。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられた。

投稿者によれば、ある社員が個人アカウント上で書き込んだ内容がトラブルになり、会社の側にクレームが来たという。問題になったアカウントは個人アカウントのため、業務に直接関係はない。クレームをつけた人は、過去の投稿内容を調べて会社名を割り出したようだ。

会社の対応としては、ひとまず回答できないとの旨を返したそうだが、このように、社員個人がSNS上などでトラブルを起こし、そのクレームが会社に来た場合、懲戒処分やSNSの使用を禁止することは可能なのか。大山弘通弁護士に話を聞いた。

●「企業秩序に違反する行為」か否か

ーー今回のような事例で、降格などの懲戒処分することは可能でしょうか

「今回の事例で懲戒処分をするのは難しいです。

まず、労働者は会社と労働契約を締結することにより、企業秩序遵守義務を負うところ、労働者がこの義務に違反したら、会社は『企業秩序の維持』のために、就業規則に定めがある場合に限り、懲戒処分をおこなうことができます(最高裁1977年12月13日判決や1979年10月30日など)。

もし、SNSの利用が、会社の『企業秩序に違反する行為』にあたる場合は、問題の社員を懲戒処分できるでしょう。会社がSNSの利用ルールを特に明記していなくても、一般的な懲戒規定から処分は可能です。

しかし、今回の事例は、社員がSNSに書き込んだ内容にもよりますが、私生活上の出来事の投稿であれば、トラブルの相手は当該社員に対してクレームを言えばいいことであり、会社にクレームを言うのは筋違いというものです。

つまり、企業秩序の維持と関係のない事柄と考えられるので、会社が社員を懲戒処分にするのは困難です。