日本には昔から、手土産やプレゼントを渡す際に、「つまらないものですが」という言葉を添える習慣がありますが、最近では、あまり使わない傾向にあるのだとか。
そこで本稿では、その理由とともに、「つまらないものですが」に代わる表現をご紹介します。

■「つまらないものですが」とは

「つまらないものですが」という表現は、日本人が美徳とする配慮表現の一つで、自分の言動をへりくだって言うことで相手を立てる謙譲表現になります。では、どうへりくだっているのでしょうか。

みなさんもご承知のとおり、本当につまらないものを渡しているわけではありません。むしろ、良い品を厳選しているはずです。しかしながら、
「高級なお菓子をお持ちしました」と言えないのが日本人ですね。また、「良い品」の基準は人それぞれですから、安易に「良い品」とは言い難いものです。

そこで、「私にとっては良い品ですが、○○様のように素晴らしい方からすれば、つまらないものだと思います」「私のような者には、つまらない物しか選ぶことができなくて」
などと謙遜の意味を込めて、「つまらないものですが」という言葉を添えるのです。なんとも日本人らしい謙虚な考え方ですね。

■「つまらないものですが」は失礼?

では、なぜ「つまらないものですが」を使わない人が増えているのでしょうか。

一つには、「そこまで謙遜する必要はない」という風潮が高まっていることにあります。日本社会全体がグローバル化していく中で、欧米的な考え方をする人が増えてきた表れなのかもしれません。

もう一つは、「つまらないものですが」の真意が伝わりにくくなっていることです。「つまらないものを私に持ってくるなんて」
「つまらないものなら要らないのに」と、気を悪くしてしまう人も稀にいるようです。

また、毎度毎度「つまらないものですが」ばかり言っていると、嫌味に聞こえてしまうこともあるでしょう。とくに、
明らかにハイレベルな生活をしている人の使い過ぎには要注意です。必要に応じて別の表現を用いるようにすると良いでしょう。
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