交通ルールはきっちり守り、エスカレーターは片側を空けて立つ。電車やバスは言われなくても整列乗車――。こうした光景は日本ではごく当たり前のことだ。中国メディアの鳳凰網は、「日本人はなぜ
これほど秩序にこだわるのか?」と疑問を抱き、それは「日本人の心の中に『人様に迷惑をかけてはならない』という執念」が宿っているからだと紹介した。
記事はまず、「日本人は小さい頃から『人様に迷惑をかけるな』と言われながら育つ」とし、「人様に迷惑をかけない」は日本人の共通の価値観だと指摘した。そのためか、日本語には「見て見ぬふり」
「長い物には巻かれろ」「藪をつついて蛇を出す」「仕方がない」など社会や他人に迷惑を掛けないための慣用句が非常に多い。
だが、記事は「人は全く他人に迷惑をかけずに生きていけるのか?」と疑問を呈す。「人は泣いてばかりの赤ちゃんの頃から迷惑をかけっぱなしではないか。子どもの頃のいたずらや反抗期。
親になってからも子どもの事で回りに迷惑をかける。誰かの世話にならずに一生を終える人などいるはずがない」と日本人の価値観に懐疑的な見方を示した。
「電車の中でベビーカーを使うのは迷惑」「公共の場で赤ちゃんが泣くのは迷惑」「赤ちゃん連れで出かけるな」――。この「人様に迷惑をかけない」という価値観が、少しも寛容でない
社会を作り出した。日本人は「人様に迷惑をかけるかどうか」が行動の基準。自分がやりたいことでも、人様の迷惑になるならやらないという日本人は多い。反対に、
他人に迷惑をかけられることも許せない。記事は「日本社会は息苦しくないのか」と指摘する。
「会社に迷惑がかかるから、仕事を休めない」という言葉も良く聞く。だが、記事は「多くの日本人に言ってあげたい。『大丈夫。あなたがいなくても仕事は回るから。辛かったら気兼ねなく休んで』」と呼び掛ける。
インドでは、「人様に迷惑をかけながら生きていくのだから、他人のことも許してあげなさい」と教育されるそうだ。「他人を助けられる人になる」「どうすれば他人の助けになるか」という考え方を叩き込まれるという。
記事は「日本人の価値観は苦痛でしかない。だが、インドの価値観は安心感を覚える」と比較し、日本的な教育方針は本当に正しいのかと疑問を投げかけている。
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