兵庫県宝塚市で、カセットコンロ用ボンベやスプレー缶のガス漏れが原因とみられるごみ収集車の火災が相次いでいる。
昨年12月に札幌市内で消臭スプレー缶の噴射が原因の爆発事故が起きた後、不安に思った市民がスプレー缶を廃棄しているとみられ、
市は今月から、通常のごみ収集とは別にガスが残っているボンベやスプレー缶の回収を始めた。(望月弘行)

■11月から6件

 市によると、昨年11月下旬から今年1月中旬にかけてごみ収集車の火災が計6件発生した。
作業員が消火器で消し止めたり、駆けつけた消防隊員が放水したりして、けが人はなかった。
いずれも焦げたボンベやスプレー缶が見つかっており、缶などの内部に残ったガスが漏れて、ごみを圧縮する際に引火したとみられる。

■札幌爆発事故

 ボンベやスプレー缶はあらかじめガスを抜き、缶と瓶の収集日に捨てることになっているが、
火災が起きた6件は、いずれも電球などの「小型不燃ごみ」の収集日だった。

 昨年12月の札幌市の爆発事故後に4件が相次いでおり、市の担当者は
「爆発事故のニュースを見て、ガス漏れを不安に思った住民がボンベや缶を急いで捨てたのだろう」と推測する。

■予想超える数

 ボンベなどが原因とみられる阪神間の自治体の今年度のごみ収集車の火災は、伊丹市3件、西宮市2件、芦屋市2件、三田市1件。
伊丹市では、ガスが残ったボンベなどを市内9か所の公共施設で曜日と時間を決めて拠点回収しており、尼崎市は事前予約で引き取る制度を導入している。

 宝塚市は今月1日から、正しい捨て方を紹介したチラシを全戸配布。
宝塚西、宝塚東両消防署での拠点回収を始めた。持ち込まれた缶などは、19日までに1000本を超えた。

 担当者は「今回、スプレー缶などの処分に困っている人が予想以上に多いことがわかった。今後、効果的に回収できる方法を考えたい」と話している。

札幌爆発事故後…ごみ収集車の火災、相次ぐ
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190220-OYT1T50060/