「キング」を名乗る会長 配当は「元気玉」、世界平和・震災復興唱え集金
2/13(水) 22:31配信
テキシアジャパンホールディングスは事業を「日本元気プロジェクト」と銘打って出資を募り、毎月3%の配当金を「元気玉」と名付け出資者(会員)に
還元を約束していた。事業実態はなかったとみられるが、会長の銅子正人容疑者(41)は企業の海外進出への出資が世界平和や東日本大震災からの復興に
つながると呼びかけ、会員を増やしていた。
関係者によると、テキシア社は会員に、いつでも出資金の返還を請求できるとの趣旨を記した契約書を発行し出資を促した。一方、説明会で事業内容への
言及はほとんどなく、銅子容疑者が自身の経歴や精神論を説いた。
説明会の参加者らによると、銅子容疑者は高級スーツにサングラスを着用し、自ら「キング」と名乗った。自分はシンガポール在住の億万長者とうたい
、参加者に食事代として現金を配ることもあった。コミュニティーFMのラジオ番組に出演したり、歌手としてコンサートを開いたりして、「東日本大震災で
困窮している日本を元気にする」などと話していたという。
銅子容疑者が出演したコミュニティーFMの番組を担当し、自分も100万円を出資した中国地方に住む女性(58)は「(銅子容疑者の)言葉には魂の叫びのような
重みがあった。日本元気プロジェクトで稼いだお金を地域で使い、地域を元気にするとの話に共感した」と振り返る。
関係者によると、会員は無料通信アプリ「LINE(ライン)」で連絡を取り合っていた。ラインのグループでは、「子キングたちよ、魂の中に眠っていた
熱い想(おも)いを呼び起こせ」などと出資を求める銅子容疑者の言葉が投稿された。
埼玉県の20代女性は親戚から勧められて2016年12月に会員になり、300万円を出資した。翌年8月までは配当金を受け取ったが、その後は滞り、返金を
約束する文書を受け取ったものの、出資金は戻ってこないという。女性は「実家の修理代にためていたお金だったが、親戚が配当金を得ていたので信用してしまった」と話した。
【高井瞳】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190213-00000107-mai-soci