【リオデジャネイロ=田口直樹】中米エルサルバドルで3日、左派の現職サンチェスセレン氏の
任期満了に伴う大統領選があり、中道右派で議会第3党の「国民統合のための大連合(GANA)」の
ナジブ・ブケレ前サンサルバドル市長(37)が当選した。
中南米の左派勢力の退潮傾向が改めて示された。エルサルバドルで2大政党に属さない大統領が
誕生するのは30年ぶりとなる。
新大統領の任期は6月1日から5年。選挙管理当局の中間集計(開票率99・94%)では、
ブケレ氏の得票率は53・02%だった。ブケレ氏は、右派の「民族主義共和同盟(ARENA)」などに
よる選挙同盟のカルロス・カジェハ氏(42)や、与党の左派「ファラブンド・マルティ民族解放戦線
(FMLN)」のウゴ・マルティネス氏(51)ら他の3候補を大きく引き離した。
ブケレ氏はサンサルバドルで支持者を前に「我々は歴史をつくった」と勝利宣言した。ブケレ氏は
選挙戦でソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を駆使し、汚職撲滅や治安改善などを訴えた。
エルサルバドルではギャングがはびこり、殺人事件の発生率も極めて高い。汚職や失業も深刻で、
中米から米国移住を目指す移民集団「キャラバン」に参加する住民も多い。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190204-OYT1T50228/