関西空港の台風被害対応で“文書”流出 運営会社日仏幹部が口ゲンカし、機能不全 旅客が孤立
https://dot.asahi.com/dot/2019012800036.html
昨年9月に関西地方を襲った台風21号は、関西国際空港に大きなダメージを与えた。
空港島と本州を結ぶ連絡橋にはタンカーが激突し、高潮で空港内は浸水。
身動きの取れない旅客は空港島で孤立した。その混乱に拍車をかけたのが、
空港を運営する会社の機能不全だった。今、災害対応に当たった大人達の様子が
詳細に記された記録が“怪文書”として出回っている。文書はKAP幹部の対応に
あきれた関係者や外部から協力した人物がまとめたとされる。
「関空が民営化されて、責任の所在がわからなくなった。だから、
有事の時に対応できない。文書は関空の経営を憂う人が書いたと言われているが、
フランス人幹部と対立した人たちの合作とも言われている」(KAP関係者)
文書に記されている驚きの内容を紹介しよう。
「怪文書」と聞けば、何を思い浮かべるだろうか。政治の世界で
ライバルを追い落とすために作成された出所不明の文書。政界だけではない。
官僚機構や会社組織の内部でも、権力闘争が激化するとどこからともなく生まれ、
人知れず右から左へ流れていく。その情報の多くは出所不明で真偽もわからない。
だが、すべてがニセモノとは限らない。ごくまれに“良質な”怪文書が出回ることもある。
ここにA4用紙14枚にまとめられた文書がある。冒頭には、こう書かれている。
<台風発生、その後の報告ミス、情報提供不足による混乱の1日、
12時〜15時台風通過。3000人孤立の情報、大規模浸水、停電、ネットワーク断絶、ビル損壊など>
単語の羅列は、昨年9月4日に台風21号の直撃を受けて大混乱に陥った
関空の“機能不全”をあらわしている。当時、巨大台風の影響で約7800人の旅客らが
空港内で孤立した。一刻も早い脱出と空港機能の回復が急務だったその時、
対策にあたるはずの空港運営会社「関空エアポート」(KAP)で起きていたのは、
主導権争いをめぐる会社幹部たちの子供じみた言い争いだった。
文書には、その様子が日誌の時系列形式で克明に記録されている。
(以下、本文参照)