親を呪うべき

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16歳になる前、行政上の手続きが簡単になるということで、両親の勧めに従ってスイス国籍を取得した。この決断がどういう意味を持っていたのかを白石さんが知ることになったのは、6年後、日本に来た時のことだった。

 弁護士の父親から、日本のパスポートを返却するように言われたのだ。「父にとって、私が日本の法律に違反して、2つの国のパスポートを所持した状態でこそこそ生活するなどというのは、論外だったのです」