時事通信
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米軍、シリア撤収開始=IS掃討「次の段階」−ロシア、イランの影響力拡大も
【ワシントン時事】米政府は19日、シリアで過激派組織「イスラム国」
(IS)掃討作戦を展開していた米軍部隊の撤収を開始したと発表した。米
紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、トランプ大統領がシリアに駐留す
る米軍部隊約2000人全員を30日以内に撤収させるよう命じたと伝えた。
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2014年に始まったIS掃討作戦は大きく転換することになる。ただ、
米軍のプレゼンス低下が独裁的なシリアのアサド政権とその後ろ盾であるロ
シア、隣国イランの影響力拡大を招くのは必至。拙速な撤収はISの再来を
許し、中東情勢の混迷につながる恐れもある。
トランプ大統領はツイッターに投稿したビデオメッセージで「われわれは
ISを打倒した。米軍兵士が本国に戻る時だ」と表明。サンダース大統領報
道官はこれに先立って声明を出し、「ISは5年前は非常に強大かつ危険な
脅威だったが、米国は領土を持つカリフ制国家を打ち破った。掃討作戦が次
の段階に移ったことで、米兵の帰国を開始した」と明らかにした。
国防総省のホワイト報道官も声明で「掃討作戦が完了したわけではない」
と強調しつつ、「部隊撤収のプロセス」を開始したと認めた。
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https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122000166