米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を決める
連邦公開市場委員会(FOMC)が18日、始まった。トランプ米大統領はこ
の日も、利上げの姿勢を見せるFRBを批判。一方、今回のFOMCで追加
利上げが決まることを織り込んでいる市場の注目は、合わせて示される
利上げペースや成長率の見通しに向いている。
米経済は失業率が歴史的低水準にとどまり、好調だ。しかし先行きでは、
米中通商紛争などのリスクが意識されて株式相場は下落傾向が続く。
「一人勝ち」の米経済が世界経済をリードするこれまでの構図は揺らい
でいる。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは18日、「FRBは利上げを停止する
べきだ」との社説を掲載。トランプ氏はツイッターで「FRBの人たちは再び
過ち(利上げ)を犯す前に、ウォールストリート・ジャーナルの社説を読ん
でほしい。意味のない数字ではなく、市場の動きを感じるべきだ」と投稿
した。トランプ氏は以前から利上げ批判を続け、市場の攪乱(かくらん)
要因になっている。
FRBは9月時点で、19年に3回利上げし、20年に最後の1回を実施して
利上げを打ち止めにするとの見通しを示していた。しかし、その後FRB
高官らからも、過度な利上げに慎重と受け取られる発言があり、今回
のFOMCでは、今後見込む利上げのテンポをやや遅らせるとの見方も
出ている。
FRBのパウエル議長が、FOMC終了後の19日に開く記者会見でどう
説明するかに注目が集まる。(ワシントン=青山直篤)
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASLDM1RY7LDMUHBI004.html