ルノーに亀裂 日産との関係悪化を懸念、ゴーンCEOに怒りも
12/18(火) 19:15配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181218-00000054-mai-bus_all
【ロンドン三沢耕平】日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者が逮捕・起訴された事件をめぐり、
会長兼最高経営責任者(CEO)の不在が続くフランス自動車大手ルノーの社内に亀裂が生じてきた。
「推定無罪」を理由にゴーン容疑者を擁護する声がある一方、多額の報酬を過少申告した容疑に対する
怒りや日産との関係悪化を懸念する声が拡大。経営陣が不安の払拭(ふっしょく)に躍起になっている。
ルノーで暫定トップとして指揮を執るティエリー・ボロレCEO代理はゴーン容疑者の逮捕後、
「緊急声明」を全社員に一斉メールで送信。社内の結束を呼びかけた。
ボロレ氏はその中で、ルノー・日産連合を「世界をリードする自動車産業界の宝物だ」と表現し、
「いま重要なことは、この連合を守りぬくことだ」と強調。日本で捜査中であることを踏まえ、
「容疑について現時点でコメントできない」としつつ、「全社一丸でゴーンCEOを支えることをここに宣言したい」
とつづっている。
だが40代の男性社員は毎日新聞の取材に「私はゴーン容疑者を支持しない。
『全社一丸』というボロレ氏の言葉は間違っている」と話した。元々「コストカッター」と呼ばれた
ゴーン容疑者の手法に不満を抱く社員は多く、事件を機に体制見直しを期待する声が高まっているという。
日産への不満を口にする社員もいるといい、あるルノー幹部は
「日産との提携が解消されないか心配だ」と話した。
筆頭株主の仏政府も「ゴーン容疑者の不正を示す情報は何も得られていない」
(政府高官)とのスタンスを維持する一方、水面下で後継候補選びに着手した模様だ。
ゴーン容疑者の不在が長期に及べば、現場の士気に影響すると判断したとみられ、
仏紙フィガロによると、タイヤ大手ミシュランのジャンドミニク・セナールCEOを会長に
起用する案が検討されているという。
トヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長やPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)の
カルロス・タバレスCEOらルノーから他社に転じた人物の名前も取りざたされている。