軍人は補償・民間人は我慢 戦後71年、今も残る「差別」 | 栗原俊雄 | Yahoo!ニュース
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※途中から抜粋、全文はソースで

第二次世界 大戦全体では、日本人の死者は310万人 に上る。遺族や、命はとりとめたものの怪我をした人、財産を失った人などを加えれば、被害者は数千万人に及ぶだろう。

戦争は人為的な災難である。為政者たちの間違った国策によって被害を受けた人たちは、補償を受ける権利がある。補償をするのは、帝国の後継である日本国政府だ。

もちろん戦争の相手国、東京大空襲や原爆投下のように国際法無視の虐殺をしたアメリカに補償を求めるのも自然だ。しかし日本国政府は1951年に結んだサンフランシスコ講和条約で、こうした補償請求権を放棄してしまった。

同条約が発効し日本が独立を回復した1952年、日本政府は戦傷病者戦没者遺族等援護法(援護法)という法律を作った。さらに翌年、占領中は停止されていた軍人恩給(旧軍人と旧軍属ら及び遺族に支給される恩給)を復活させた。
こうした補償の総額は2016年現在累計60兆円に及ぶ。

一方、同じく戦争で被害を受けた民間人は補償の対象外とされた。国によればその理由は「旧軍人軍属らは、国と雇用・被雇用の関係にあったが、民間人とはなかった」、というものだ。

米軍が落とした爆弾で民間人であるAさんと、軍歴12年の軍人のBさんが片足の太ももから下を失ったとしよう。Aさんが受け取る障害年金は80万円ほど。Bさんは500万円余である。

「差別だ。我々にも補償を」と、民間被害者が求めるのは自然だろう。ところが国は応じない。それゆえ、被害者は国に損害賠償を求める訴訟を起こした。