日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が巨額の役員報酬を隠したとされる事件で、
同容疑者が2016〜17年度、株主総会で決議された役員報酬総額の上限を無視し、自身の
報酬額を決めた疑いがあることが12日、関係者への取材で分かった。ゴーン容疑者は
東京地検特捜部の調べに対し、「自分は20億円程度を受け取れる仕事をしている」などと供述。
特捜部は決議を意に介さず報酬額を決めたとみて調べている。

 関係者によると、ゴーン容疑者には日産役員の報酬を決める権限があり、自身の報酬については、
米自動車大手の最高経営責任者(CEO)の報酬と比較しつつ決定。直近2年間の16〜17年度は、
いずれも24億円程度だったとされる。

 日産の株主総会では、年間の役員報酬額は取締役全員分の合計で「29億9000万円以内」と
決議されていたが、実際はゴーン容疑者の報酬額が突出。両年度とも、この上限を超え、
決議を無視した形になっていた疑いがあるという。

 特捜部の調べでは、両年度を含めた15年度以降3年間のゴーン容疑者の報酬は
約71億7400万円に上る。この間の有価証券報告書に記載された報酬は「29億400万円」で、
特捜部は差額約42億7000万円を隠したとみて捜査している。(2018/12/12-18:20)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121200726&;g=soc