“レトルト”といってまず思い浮かぶのはカレーだが、レトルトの50年の歴史の中で、ご飯やスープ、おかずなど、さまざまなパッケージのモノが登場している。

「1968年に発売された『ボンカレー』は、市販用としては世界初のレトルトカレーです。これを機に、1970年代には釜飯の素やシチュー、
ハヤシライスの素、ミートソースなど、多くの種類が続々と発売されました。ボンカレーを開発した『大塚食品』には、個食の時代がくるという、
先見性があったと思いますね」(金村さん)

市販のレトルト第1号の賞味期限は2〜3か月だったが、今はどの商品も2年程度が一般的。また、湯煎だけでなく、電子レンジ調理も可能になった。

「レトルト市場ではカレーがおよそ4割を占めていますが、現在、市場をけん引しているのは主に鍋つゆや料理用調味ソースです。
チンジャオロースや回鍋肉など、手の込んだ多くの食材やスパイス類を必要とする料理が簡単に、しかも時短で作れるため、
その利便性がウケていると思います」(金村さん)

現代人は忙しく、調理の簡便さを求める傾向がある。そのため年間を通してスーパーの棚にはパスタソースや料理用調味ソースが並び、
鍋つゆが多くのスペースを占めている。

「最近では、以前は考えられなかった生活習慣病対策に特化した商品も調剤薬局で販売されています。これからも健康ニーズに応える商品は
増えていくと思います」(食文化研究家のスギアカツキさん)

https://www.news-postseven.com/archives/20181208_819085.html
レトルトカレーの生産量は右肩上がり
https://img2.news-postseven.com/picture/2018/12/curry.jpg