沖縄にだけ生息する国の天然記念物のカメが、ことし10月、香港に大量に密輸されていたことが関係者への取材でわかりました。
カメが生息する沖縄本島北部は世界遺産の登録を目指していますが、希少種が違法に捕獲されるケースが後を絶たず、環境省などは対策を急ぐことにしています。

沖縄県の本島北部と周辺の離島にだけ生息する「リュウキュウヤマガメ」は、国の天然記念物として捕獲が禁止され、野生生物の国際取り引きを規制するワシントン条約の対象にもなっています。

このカメおよそ60匹が、ことし10月、香港の国際空港で、日本からの便に搭乗していた客のボストンバッグから見つかり、現地の税関当局に押収されていたことが関係者への取材でわかりました。

現地当局の調べに対して、バッグを持っていた客は「沖縄の知り合いから手に入れた」と説明しているということです。

沖縄本島北部は、世界遺産の登録を目指す国内の候補地として推薦されることになっていますが、希少種が違法に捕獲されるケースが後を絶たず、中国などに密輸され、現地で高値で売買されているということです。

今回、世界遺産の登録に向けて自然の保護に対する課題が改めて浮き彫りとなり、環境省や経済産業省など関係省庁は今後、対策を急ぐことにしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181207/k10011738011000.html
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