アメリカ軍は、ロシアが極東沖で主権を主張する海域に艦艇を派遣して「航行の自由」作戦を実施したことを
明らかにし、ウクライナをめぐる問題で両国の対立が深まる中、ロシアをけん制するねらいがあるとみられます。
アメリカ太平洋艦隊は声明を発表し、ロシア極東の日本海で現地時間の5日、横須賀基地に配備されている
イージス駆逐艦「マッキャンベル」が「航行の自由」作戦を実施したことを明らかにしました。
声明によりますと、マッキャンベルはウラジオストク周辺の「ピョートル大帝湾」付近を航行したということです。
ピョートル大帝湾をめぐっては、ロシアは旧ソビエト時代から国際法で領海として認められる沿岸から
12海里を越えて主権を主張していますが、アメリカはこれを認めておらず、太平洋艦隊は「ロシアによる過度な
海洋権益の主張に対抗するものだ」としています。
アメリカ軍は中国が管轄権を主張する南シナ海でも「航行の自由」作戦を実施しており「日本海であれ、
他の海域であれ、国際法が許す場所であればどこでも飛行し、航行する」と強調しています。
ロシアがウクライナ海軍の艦船を拿捕(だほ)した事件をめぐって米ロの対立が深まる中、ロシアを
けん制するねらいがあるとみられ、アメリカのメディアは黒海でも同様の作戦を軍が計画していると伝えていて、
ロシア側の反発が予想されます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181206/k10011736851000.html