光秀は、三坂に言い放った。「わしは、土屋の矢が憎いのじゃ。わしを苦しめているこの矢がな。わからぬか」
すでに死を覚悟した三坂は、光秀の剣幕にひるむことはなく、堂々と言い返した。「とんとわからぬ。
わしは丹波の矢匠ぞ。頼まれて矢を商うに何の遠慮があろうぞ。赤井方であろうと、明智方であろうと、戦あっての矢匠ぞ」
ふてぶてしい三坂の態度に光秀の怒りは頂点に達し、鬼と化した。「こやつらを、ことごとく火あぶりにいたせ」
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