北海道を代表する料理「ジンギスカン」に欠かせない羊肉の価格が高騰している。
国内流通量の9割以上を占める海外産の輸入価格は、中国での需要増などを背景に10年前の1・7倍に。
飲食店などの間では値上げの動きが広がっているが、忘年会シーズンやお歳暮商戦を前に影響が懸念されている。
道内でジンギスカン店2店を経営する食肉製造販売業「かねひろ」(空知管内長沼町)は4月、
レストランでのロースマトンなどの価格を1人前756円から810円に値上げした。
「かねひろ羊ケ丘通店」(札幌市清田区)をよく利用するという同区の主婦羽生(はにゅう)克子さん(49)は
「ジンギスカンはおいしくて値頃なのが魅力。月1度は食べるので、これ以上の値上げは避けてほしい」と話す。
忘年会とお歳暮のシーズンが重なる12月は、精肉販売にとって1年で一番のかき入れ時。
同社の広川周(まこと)マネジャー(47)は「卸値が高く価格に転嫁せざるをえない。
年末商戦に響かなければいいが」と漏らす。
財務省貿易統計によると、道内への羊肉輸入価格は今年1〜8月の平均が1キロ当たり868円となり、
08年の年間平均価格511円の1・7倍となっている。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/251626