カルロス・ゴーン前会長(64)によるリストラ策で派遣切りや雇い止めにされた男性2人が26日、東京都内で記者会見した。男性らは、ゴーン前会長が
巨額の報酬を過少記載していた疑いが持たれていることについて「我々の生活を犠牲にして得ていたのか」と憤り、西川(さいかわ)広人社長に対して
「職場復帰の英断を下してほしい」と訴えた。
会見したのは、日産の派遣社員だった阿部恭さん(55)と、関連会社日産車体(神奈川県平塚市)の製造ラインで期間工として働いていた
釜倉猛さん(41)。ゴーン前会長はリーマン・ショック後の対策として、2009年2月、グループ全体で約2万人のリストラを発表。2人も翌3月に職場を追われた。
釜倉さんは09年2月、同僚とともに集められ、上司から「経済危機なので、3月に雇い止めにするから」と通告された。会見で「(日産を離れた後は)
年収200万円にも満たなくなり、苦しい10年を過ごしてきた。我々の首を切っておきながら、巨額の報酬は許せないし、まだ隠しているものがあるのではないか」と怒りの声を上げた。
2人は今も、日産と日産車体に対し、団体交渉に応じるよう求め中央労働委員会で争っている。釜倉さんは「今回の事件だけでなく、
我々の問題も解決してほしい。社長の英断でできるはずだ」と訴えた。【神足俊輔】
https://mainichi.jp/articles/20181127/k00/00m/040/061000c