役員報酬を有価証券報告書に約50億円分少なく記載した疑いで逮捕された
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が2008年、
私的な投資で生じた約17億円の損失を日産に付け替えていた疑いがあることがわかった。
証券取引等監視委員会もこの取引を把握し、会社法違反(特別背任)などにあたる。
東京地検特捜部も同様の情報を把握している模様だ。

 複数の関係者によると、ゴーン前会長は日産社長だった06年ごろ、
自分の資産管理会社と銀行の間で、通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引を契約した。
ところが08年秋のリーマン・ショックによる急激な円高で多額の損失が発生。
担保として銀行に入れていた債券の時価も下落し、担保不足となったという。

 銀行側はゴーン前会長に担保を追加するよう求めたが、
ゴーン前会長は担保を追加しない代わりに、損失を含む全ての権利を日産に移すことを提案。
銀行側が了承し、約17億円の損失を事実上、日産に肩代わりさせたという。

朝日新聞 2018年11月27日5時4分
https://www.asahi.com/sp/articles/ASLCV5362LCVUTIL01K.html