元パラ競泳選手が義手で奏でるバイオリン 動画再生回数2千万回超
11/15(木) 14:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181115-00000015-kobenext-l28
https://youtu.be/pPxfowXyUOU
全身を使い、義手でバイオリンを弾く伊藤真波さん=三木市立豊地小学校
パラリンピック競泳で2大会に出場した伊藤(旧姓野村)真波さん(34)=兵庫県伊丹市=が、事故で失った右腕代わりの義手を使い、特技のバイオリンを弾いた2分余りの動画がインターネット上で2千万回以上再生された。
9月上旬、宝塚市内の講演で中島みゆきさんの「糸」を演奏する映像。義手で弓を巧みに操って響かせた美しい音色が国内外で反響を呼んでいる。(井川朋宏)
【動画】義手で奏でる美しい音色は国内外で反響
静岡市出身。20歳の時にバイクを運転中、交通事故に遭って右腕を切断した。それでも看護師となり、パラリンピック競泳の2008年北京大会、12年ロンドン大会に連続出場し、計3種目で入賞した。
子どもの頃に習ったバイオリンの演奏を再開しようと約10年前、近畿義肢製作所(神戸市西区)に義手制作を依頼し、肘関節などの調整を経て7年前に完成。演奏用に作られた腕全体の義手は珍しいという。
伊藤さんは幼い頃の感覚を思い出しながら、肩甲骨を中心に全身で義手を動かし、「きらきら星」など簡単な曲から練習を始めた。出産を機に看護の現場を離れたが、講演に訪れた学校などで演奏を続けている。
動画は兵庫県障害者スポーツ協会理事の増田和茂さん(66)=明石市=が撮影し、フェイスブックに投稿。欧米やアジアなど世界各地から友達申請や取材依頼が殺到したため、公開を中止したという。
伊藤さんは「反響は思った以上だった。専用の義手を高い技術で形にしてもらったおかげ。演奏を通じて両親にこれまでの感謝を伝えたい」と話す。
三木市立豊地小学校でこのほどあった人権講演会でもアニメ映画「千と千尋の神隠し」の挿入歌を披露。小刻みに弓を操り、拍手に包まれた。同小6年女児(12)は「本当に腕があるみたいに上手に弾いていた」と驚いていた