トランプ米大統領にとって就任後初めて国民的な審判を受ける米中間選挙の
開票が、6日夜(日本時間7日朝)から始まった。米主要メディアによると、連邦
議会の上院は与党・共和党が過半数を維持するのが確実な情勢。一方、下院
は事前の情勢調査では野党・民主党が過半数を奪い返すとの予想が大勢だっ
たが、接戦となっている。共和が下院で多数派を失えば、トランプ政権の今後の
政権運営に影響を与えるだけに、動向が注目される。
4年に1度の大統領選の間にある中間選挙は、大統領の信任投票の意味合
いが強い。今回は2016年に当選したトランプ氏の政策や政治手法への是非を
問うものとなり、上下両院で共和党が過半数を維持できるかが最大の焦点だっ
た。CNNによると、6日早朝時点の期日前投票者数は少なくとも3300万人とな
り、前回14年の約2200万人を大幅に上回るなど関心が高まっている。
現在の上下両院は共和党がいずれも過半数を握っていた。全議席が改選され
る下院(定数435)は、米メディアでは民主が多数派となる予測が多かったが、
共和がトランプ氏の支持基盤である中西部などで票を伸ばしている。現有議席は
共和党が235、民主党が193、欠員7だった。CNNによると、日本時間午前11
時半現在で共和が80議席、民主が75議席となっている。
一方、上院は全100議席のうち、今回は35議席が改選された。現有議席は共
和が51議席、民主(無所属を含む)が49議席と僅差(きんさ)だった。CNNによ
ると、同午前11時半現在で共和が非改選議席を合わせて43議席、無所属を含
む民主が36議席を確保した。
トランプ氏は選挙戦で、好景気や株高、失業率が歴史的に低いのは、オバマ前
政権時代に作られた規制の撤廃や大型減税などの成果だと強調してきた。一方、
情勢で苦戦が伝えられると、中米から米国を目指す「移民キャラバン」を政治問題
化し、移民を犯罪者扱いして恐怖をあおり、保守的な支持層の基盤固めをした。
最終盤は16年の大統領選勝利の原動力となった中西部や南部を集中的にまわり、
追い上げを見せた。ホワイトハウスのサンダース報道官によると、トランプ氏はこ
の日、ホワイトハウスでメラニア夫人や友人らと選挙結果を見守っているという。
これに対し民主党は、トランプ政権の移民や黒人、LGBTなど性的少数者を排除し、
国内の分断をあおる姿勢を批判。「反トランプ」で結集し「(民主党のイメージ色の)ブ
ルーウェーブ」を起こそうと運動した。共和党が廃止を目指す医療保険制度改革(オ
バマケア)の拡充や、教育改革、銃規制の強化などを訴え、もともと民主党の支持が
あつい都市部に加え、下院の激戦区となっていた周辺の郊外の有権者の取り込み
を図った。
(ワシントン=香取啓介、土佐茂生)
朝日新聞デジタル
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