台風24号の暴風による爪痕に、学生セーラーたちが頭を悩ませている。
藤沢市の江の島でのワールドカップ(W杯)開催に伴い、県の依頼でヨットハーバーから仮置き場に移設した小型ヨット(ディンギー)が破損。
修理には1艇につき数十万円の費用がかかるとされ、廃棄を余儀なくされた艇も出ている。
艇を管理するOBらは「好意で動かした上でのこと。このままでは来年以降、協力できない」と補償を含めた対応を県に求めている。
10月1日午前、最大風速40メートル超を記録するなど、猛烈な風が藤沢市の江の島に襲来。
艇を固定していたロープが船体に食い込み傷を付けたり、折れたマストが刺さり船底に穴を開けたりといった被害が相次いだ。
江の島ヨットハーバーは、1964年東京五輪のヨット競技の会場として整備された。
一般利用のほか、大学のヨット部などの活動拠点としても利用され、現在は関東の約40校がディンギーを陸置きしている。
関係者によると、修理に20万円以上かかる被害を受けたのは判明しているだけで88艇。
「軽微なものを含めると数え切れない」とし、今後も被害額は膨らむ見通しだ。
9月9〜16日のW杯開催を巡り、主催者側からの要請で県が常設場所からの移動を依頼。被害を受けた艇の多くが、道路を挟んだ向かいの「江の島かもめ駐車場」に設けられた仮置き場に留め置かれていた。
艇は国産で150万〜200万円、輸入艇だと300万円を超えるものもあるとされる。
学生セーラー受難 台風24号で船が破損 「来年以降協力できぬ」 提訴も視野
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