ありふれた住宅街に暴力団の資金源…「大麻ハウス」の実態
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横浜市内の住宅で栽培されていた大麻草(県警提供)
横浜市内の3軒の住宅で、営利目的で大麻草を育てていた男ら8人を神奈川県警薬物銃器対策課が10月、大麻取締法違反容疑で逮捕した。現場となったのは、いずれもありふれた住宅街にある戸建てだった。
犯行グループは「バレにくい」と目をつけたのか、大胆にもそこで、末端価格にして約3300万円の大麻草や乾燥大麻を生産。密売で得た収益は暴力団の資金源になっていたとみられている。多くの住民にとって平和な日常に、突如として出現した「大麻ハウス」の実態とはどういったものだったのか。
同課によると、情報をもとに今年の春先から内偵捜査が始まり、約半年が経過した10月の17日と18日、市内3カ所の住宅に捜索の手が入った。大麻栽培は強い光を当てて、光合成を促すという特徴がある。
■過剰な電気料金
捜査関係者によると、住宅1カ所当たりの電気料金は月々6万円を超えており、室内で一般の生活とは異なる「何か」が行われているのは明らかだった。結果、3カ所からは大麻草合計144本が見つかり、すでに乾燥が済んだものも2500グラム以上が押収された。
逮捕されたのは山口組弘道会系組幹部の横山篤容疑者(45)をはじめとする男8人で、「現場から関係者を尾行するうちに、容疑者の数がどんどん増えていった。逮捕後の取り調べでは『2年前からやっていた』と話す者もいる」(捜査関係者)。このほか、別の2カ所からも100本以上の大麻草が押収されている。
■より多く収穫を
8人は住宅の中で、大麻草を鉢植えに入れて土で育てていた。水耕栽培に比べて肥料の調整などが必要だが、捜査関係者は「こちらの方が量が多く収穫できるといわれている。彼らも初めは水耕栽培を試していたが、途中から切り替えたようだ」と説明する。
同課は組織的な大麻栽培で得られたカネが暴力団に流れたとみている。シノギのためなら手間は惜しまないということか。8人の年齢は34歳から52歳で、職業も会社役員から入れ墨彫り師、コンサルタント業などまちまちだ。
このうち3軒の住宅の1軒で寝泊まりし、大麻栽培に当たっていたのが、無職の渡辺譲容疑者(35)だった。捜査関係者は「(主導的立場の人間と出合い)家がないからそのまま、そこに住むことになったのだろう」との見方を示す。