米IBM、クラウドソフト大手RedHatを買収 3.8兆円
【ニューヨーク=中山修志】米IBMは28日、クラウド向けソフトウエア大手の米レッドハット(RedHat)を
約340億ドル(約3兆8000億円)で買収すると発表した。クラウド分野で米アマゾン・ドット・コムや
米マイクロソフトなどへの競争力を高める狙い。IBMにとって過去最大規模の買収となる。
両社はこれまでもクラウド基盤の共通化などで技術提携を進めてきた。IBMのバージニア・ロメッティ
最高経営責任者(CEO)は発表文で「レッドハット買収でクラウド市場は変革する。IBMはクラウドサービスの
最大手となり、企業価値を最大化するためのソリューションを提供する」と述べた。
IBMはレッドハットの全発行済み株式を1株190ドルで取得する。同社株の26日終値は116ドル68セントだった。
独禁当局の承認が得られれば、2019年後半に買収を完了する見通し。
クラウドの分野はアマゾンやグーグル、マイクロソフトなど米IT(情報技術)大手に加え、低価格サービスを
売りにする新興企業との受注獲得競争が激化している。IBMは無償ソフトを使ったクラウドサービスで
高いシェアをもつレッドハットを取り込み、競争を優位に進めたい考えだ。
レッドハットは買収完了後もIBMのクラウド部門の子会社として存続する。同社は「IBMと組むことは
オープンソースのクラウドを世界に広げるチャンスになる」とコメントを発表した。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO37054760Z21C18A0MM0000?s=0