潤滑剤なしで抜群の滑りを実現する「自己潤滑性コンドーム」が開発されている
避妊や性感染症予防に有効な「コンドーム」は、装着したときの感覚が非常に重要です。
その中でも「滑りやすさ」をもたせることは特に重要な要素となるのですが、潤滑剤を塗布しなくても潤滑性を生み出す表面構造をもった「 self-lubricating condom(自己潤滑性コンドーム)」が研究・開発されています。
コンドーム製造大手の相模ゴムによると、「性交時に局部のうるおい不足で痛みや不快感を感じたことはありますか?」という質問に対して、日本人女性の4割以上が痛みや不快感を感じていると回答しているとのこと。
使用時の痛みや不快感を取り除きスムースな使用感を得るために、一般的にコンドームには潤滑剤が使用されています。
しかし、潤滑剤はあくまでコンドームの主成分であるラテックスに塗布されているだけなので、摩擦によってこすり落とされるため、使用中に摩擦力が上がり不快感が増してしまいます。
そこで、スムースさの落ちないコンドームの開発を目指すHydroGlide Coatingsのステイシー・チン博士の研究チームは、ラテックス表面自体に親和性をもたせて摩擦を減らす「自己潤滑性」をもたせたコンドームを開発中です。
チン博士らの開発する自己潤滑性コンドームは、「親水性のあるポリマーが体液などの水分と接触すると滑りやすくなる」という性質を活用しているとのこと。
表面自体を潤滑性の高い性質に変えることで、潤滑剤なしで半永久的に低い摩擦力を維持できる仕組みになっています。
チン博士たちは自己潤滑性コンドームについて、使用感のテストも行っています。
24歳から58歳までの男性13人、女性20人を含む限られたグループに、一般的なコンドーム、水性潤滑剤を含むコンドーム、自己潤滑性コンドームの3種類を試してもらい、使用感について回答してもらいました。
その結果「最も滑りやすいものは?」という質問では自己潤滑性コンドームが85%を集め、「最も気に入ったものは?」という質問でも自己潤滑性コンドームが73%という高い支持を集めたそうです。
今回の研究はMicrosoft創業者のビル・ゲイツ氏とその妻メリンダ氏が設立したビル・メリンダ・ゲイツ財団の援助によって行われたものです。
https://gigazine.net/news/20181024-self-lubricating-condom/