現在、ほとんどのコピー機で使われる技術のもとになっている、61年前に日本で初めて発売されたコピー機が公開されました。
このコピー機は、「富士ゼロックス」が22日、神奈川県で開かれた印刷技術に関する学会にあわせて公開しました。
アメリカのゼロックスが開発した「Xerox1385」という機種で、日本国内では61年前の昭和32年に発売されました。
「ゼログラフィー」と呼ばれる静電気を利用して文字を紙に写す技術は、現在のコピー機と同じ仕組みとなっています。
ただ、現在のような一体化型でなく、複数の機械を使う形となっています。
担当者はまず、原稿の文字を感光板と呼ばれる板に写します。
この板には静電気の力でカーボンが付いていて、そこに紙をのせると紙に文字が写り、コピーされます。
このメーカーの最新のコピー機では、1分間に150枚のコピーができますが、当時は1枚で5分ほど、熟練者でも3分はかかったということです。
富士ゼロックスの元社員でコピー機のメンテナンスを担当していた大熊信次さんは「技術に誇りを持つ職人さんがたくさんいました。50年以上たった今もコピーの原理が変わっ
ていないのもおもしろいです」と話していました。
コピー機をめぐっては、ペーパーレス化の拡大によって市場が縮小するなか、メーカーでは、AI=人工知能などを活用して新しい使い方を進めています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20181022/1050004300.html