リンゴといえば白い果肉が一般的だが、長野県のある農家の男性が“果肉まで赤いリンゴ”を開発したという。
「食べて、見て楽しめるものを」と30年以上にわたり開発に取り組む男性。そして誕生したのがその名も『なかの真紅』。
一見すると普通のリンゴのようだが、切ってみると鮮やかな赤色の果肉だ。
赤肉リンゴは酸味が強く、加工用がほとんどだったが、『なかの真紅』は生で食べても、甘味が強いという。
開発した吉家一雄さん(61)は、「ぎゅっと詰まった甘みがある」と胸を張る。
「趣味で始めた」から5品種を登録するまでに…
そもそも、吉家さんは30年前、農業大学校時代に観賞用の赤肉リンゴに出会い、「これをおいしく食べられたら」と思い研究を始めたという。
吉家さん:
目にやきついた。こんな(食べられる)リンゴがあったらいいなって趣味で始めた。
最初は趣味の域だったが、全国の産地や大学から様々な品種を取り寄せては、交配を試し、今や研究用の畑にはなんと、約5000種類のリンゴが栽培されている。
ただ、赤く色付かなかったり、色付いても病気になりやすくなったりと商品化できないものがほとんどだったという。
「楽しんでいるだけだから苦労はない」と話す吉家さんは、交配を繰り返す中、
今年、ようやく『なかの真紅』のほかに、甘みがあり生食に向く『ムーンルージュ』と『炎舞』、加工向けの『いろどり』と『なかののきらめき』の計5つの品種を登録することができた。
各地のホテルやレストランで重宝
吉家さんの赤肉リンゴを去年からスイーツにして店舗で出してるのが、長野県中野市にある「ミミエデン」。
ミミエデン・宮下彩花さん:
こんなにきれいな色が出るんだってテンションがあがった。せっかく赤いリンゴなので目立たせたい。
見た目、味全部を楽しんでほしい、せかっくきれいなリンゴなので。
『なかの真紅』を使った秋限定のムースケーキは、白と赤のコントラストが目を引く。
ほかにも料理関係者がその鮮やかな見た目に注目し、吉家さんの赤肉リンゴは現在、県内外のホテルやレストランで重宝されている。
吉家さん:
まわりが喜んでくれるからうれしい。もう一歩先を目指したい。ふじとか津軽とかリンゴ3兄弟とかあるけど、
あういうリンゴみたいに当たり前のように店で売られて、当たり前のようにいろんな家族が食べてくれるようなそんなリンゴになったらいい。
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