米二輪車大手ハーレーダビッドソンは、新規顧客の獲得に当たってとりわけ強力なライバルに直面していている。
自社の中古バイクだ。
米国で販売されているハーレーダビッドソンは新車1台に対して中古が3台の割合だ。
10年前はその反対の状況だった。
米国では2006年をピークに新型バイクの販売台数が半減した一方で、中古バイクの販売台数は13%増加した。
ウィスコンシン州ミルウォーキーに本社を置くハーレーは今年、4年連続で販売台数が減少する見通しだ。
同社の中心的な買い手である年配顧客の購入台数が縮小している一方で、若年顧客でその穴を埋めることができていない。
長年にわたり販売台数と生産台数を大幅に伸ばしてきた結果、市場には今、中古ハーレーがあふれており、高額な新型モデルに大枚をはたきたくない顧客に豊富な選択肢を提供している。
「結局は価格だ」。
ペンシルベニア州グリーンズバーグにあるハーレーの代理店を共同経営するジム・マクマハン氏はこう話す。
「単純に新型バイクに1万8000〜2万5000ドル(約205万〜285万円)も使いたくない人たちがいる」。
代理店によると、状態のいい中古ハーレーには1万5000ドルもしないものもある。
ハーレーは2022年までに16種類の中重量バイクを投入し、若い新規顧客を取り込むことで販売不振を覆すことを計画している。
その中には来年発売予定の同社初の電動モデルも含まれている。
ハーレーは新型車の価格を公表していないが、代理店は多くのモデルは現行ラインアップの中心を占める大型車よりも安くなるとみている。
より価格の安い多様な選択肢を提供することで、新しい若年ライダーを引きつけ、従来モデルの販売低迷を相殺できる可能性がある。
https://jp.wsj.com/articles/SB10174653378051494177104584506730708439944