マネーロンダリング(資金洗浄)対策を国際的に推進する政府間会合、金融活動作業部会(FATF)の第4次対日相互審査を来年に控え、法制度が十分ではないと
の懸念が、日本政府の一部や金融界で浮上している。FATFが国内、海外問わず政府要人の規制強化を求めているのに対し、日本は海外の要人だけを規制対象
としているからだ。関係者からは、国内政治家の規制強化に向けて政府として取り組むべきとの声も出ている。
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しかし、日本は法改正の議論の中で、PEPsを外国と国内に分けて規制する道を選び、改正犯収法の施行令で外国のPEPsだけを規制対象とした。
犯収法を所管する警察庁の樹下尚・組織犯罪対策部長(当時)は14年10月の衆院法務委員会で、国内PEPsについて「マネーロンダリング対策の有効性を
直接把握できない外国のPEPsと、自ずから対策の必要性の程度が異なるのではないか」と述べ、国内PEPsの規制は「慎重な検討を行う必要がある」と発言した。
改正犯収法施行から2年がたち、仮想通貨の普及などマネロン対策を取り巻く環境は変化した。しかし、警察庁の担当者は「国内PEPsの扱いについて、
慎重な検討が必要というスタンスは数年前と変わらない」と話す。「国内PEPsがマネロンに関与するリスクがあるのか、事実は必ずしも明確ではなく、
慎重な検討が必要だ」と説明する。
(中略)
■「外圧」待ち
「官僚が政治家に対する規制を提案できるわけがない」――。ある省庁の幹部は、国内PEPsの規制に踏み切れない背景を解説する。「グローバルな金融規制の
動きなど国会議員が理解するわけもなく、国会が紛糾するのは必至」と話す。
ただ、金融界からは「民間も対応に努力している。官は官でやるべきことをやってほしい」(銀行役員)と、「官尊民卑」への不満も漏れる。
ある法曹関係者は「来年のFATF審査の前に、国内PEPsの規制強化に向けて政令改正に動き出すとは考えにくい」とみる。「官僚はFATFの指摘という『外圧』を
待っているのだろう」と話した。
マネロン対策の取り組みは、図らずも「政官民」の関係の歪みを浮き彫りにしている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11062.php
この国は黒船来ないとダメなんですかね…