ワンオフカーにハマるひとびと
英国ではありふれたことだが、車庫や作業場もしくは納屋のようなところでも、機械いじり好きあるいは整備士をめざすひとびとは日夜手をよごして作業に励んでいる。
ディーゼルの限界へ ゼロヨンは9.7秒
まずはオーナーのポール・ライナスから手ほどきを受ける。「ギアを2速に入れて、ローンチコントロールをオンにしてエンジン回転を上げて、その右のクラッチリリースでクラッチを繋ぎます。あとはカタパルト発進としかいいようがないですね」
ライナスが操るこのセアト・アローザ・ドラッグカーは、英国のディーゼルエンジンを専門とするチューナー、ダークサイド・ディベロプメンツの製作だ。
サンタ・ポッド・レースウェイで記録した0-400m加速は9.7秒。同時に0-97km/hを2.3秒、0-161km/hも4.8秒というにわかに信じがたい記録も達成した。一時は地上最速の前輪駆動ディーゼル車の座に君臨したのだ。
排気はエンジンからそのままボンネットの上へ引きだされ、ライナスのひと踏みで鼻をつく濃い煙がまるで火山灰のように噴きあがる。
これだけのパワーとトルクを受けとめるのが前2輪だけとなると、ドライバーにも高い技術が要求される。
ライナスはクラッチのつなぎ方がカギだというが、滑らかにととのったドラッグレースコースではスリックタイヤが強大なトラクションを発生するともいう。
アローザの履くフージャー製ドラッグレース専用タイヤに設定した空気圧はわずか6psi。触ってみてもたしかにブヨブヨだし、マシンがスピードに乗ると遠心力で直径が4cmちかくも広がるそうだ。
そうして丈が高くなるいっぽうで幅はせばまるので、マシンの前方投影面積を減らすのにひと役買っているという。
スペック
■最高出力 558ps
■最大トルク 89.9kg-m
■最高速度 261km/h
■0-97km/h加速 2.3秒
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/15373863/
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